戦場のアリア

olivemama2007-12-28

実話というのが驚きです。イブの夜、敵対するドイツ、フランス、スコットランドの兵士たちは、息をひそめてクリスマスを祝いはじめます。オペラ歌手のドイツ兵ニコラウスが歌う「きよしこの夜」が響き、そのうち、スコットランド兵のバグパイプの音色が重なります。奇跡の始まりです。中央に集まった兵士たちは、片言の外国語で挨拶を交わし、妻子の写真を見せ、酒や食べ物をすすめ合います。人間は言葉が通じなくても触れ合うことができるんだということを感じました。ソプラノ歌手アナ(ダイアン・クルーガー)と彼女の夫でドイツ軍兵士のテノール歌手ニコラウス(ベンノ・フユルマン)は、聖歌を披露します。心が洗われるような澄んだ歌声を聴きながら、互いに心を通わせた彼らは、もはや戦うことはできません。戦争の愚かさをしみじみと感じる映画です。