虹を見ました。久しぶりでした。涼しい風が吹き、
抜けるような青空が広がっていたかと思うと、突然雨が降ってきました。
通り雨だったようで、そのうちまた日が差し始めました。
そのとき、緑の山に虹がかかったのです。空まで届かないような低い虹でした。
そんな虹は初めて見ました。
子供の頃、あの虹の橋のたもとまで行ったら、
きっと虹色の世界が広がっているんだろうなと思っていました。
その地面を掘ったら宝物が埋まっているっていう話もありましたよね。
虹の光の中に入ってみたいと願っていましたが、
それは無理なことだとやがて知りました。
儚く消えていく虹を見ながら、しばしうっとりとした時間を過ごしました。
自然の成せる技に心を動かされた瞬間でした。